寒々しい海辺の田舎町にドス黒いアンダーグラウンドの世界に入り込むオリエンタルな雰囲気全開の阿部進之介主演のヒューマンドラマ。
どこに自分の正義を据えるのか。長い物には巻かれるのか。「空飛ぶタイヤ」を思い出すような作品。
劇中、何度も出てくる風力発電の風車。海と空の自然の中に仰々しくそびえ立つ人工的な白色の巨大なプロペラ、場違いであるかのように思えるコントラストなのに何度か現れるたび違和感がなくなっていく、この映画で描かれている善と悪の境界線がわからなくなっていくかのように。
映像はセンスの塊だったが、ストーリーはやるせなさ感が強くモヤっとしてしまった。