Keitan

デイアンドナイトのKeitanのレビュー・感想・評価

デイアンドナイト(2019年製作の映画)
3.9
『絶妙なメタファーで描く善と悪の境界のお話』

20200915 120
昨年「新聞記者」で一気にブレイクした藤井道人監督作品。脚本がよく練られていて、なかなか考えさせられる物語。

「新聞記者」や「光と血」でもそうだったが序盤は点描的な演出であえて情報を散りばめつつ物語のフォーカスがボンヤリと浮き上がらせる。30分近くある長いアバンパートが終わりに(全体1/4過ぎ)絶妙のタイミングでタイトルが出て、そこから俄然面白くなる。父の正義を証明したいという思いに駆られて闇堕ちしていく主人公というストーリー。

序盤に父が残したノートに書かれた文章の一節から「善と悪とは?」というテーマが提示され、昼と夜、表と裏など、いろいろなメタファーを用いて描かれつつ、主人公のとる行動と共に見ている側も最後まで、その境界とは何か?と悩まされる。(衣装も白と黒と、あとグレーの服もある事に、後から読んだ解説で気付かされた)

すでに大注目ですが主題歌も歌った奈々役の清原果耶ちゃんも確かな存在感。
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