Tomo

スターリンの葬送狂騒曲のTomoのレビュー・感想・評価

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)
3.3
ソ連で20年に渡り「血の粛清」を行なってきたスターリンが死去。後継者争いをコメディタッチで描いた映画。

スターリンの死後、共産党最高幹部となる
ベリヤ、マレンコフ、モロトフ、ミコヤン、そしてフルシチョフ等により、後継者を巡って醜い争いが繰り広げられます。

実質的には、NJVD(秘密警察)の最高長官であったベリヤが後継者争いの中心となっていきますが、葬儀委員長という不名誉な役回りをさせられたフルシチョフが他の幹部を巧みに味方につける。更に軍の最高司令官であるジューコフの賛同を得、ベリヤ派を一掃してフルシチョフ体制を作っていくことになります。

実際は暗雲渦巻く鬱蒼とした雰囲気だったと思うのですが、それらの細かい出来事をブラックユーモアで表したことで、見易い映画になったのでしょう。

フルシチョフ役のスティーヴ•ブシェミの演技は秀逸です。何考えてるか分からない策士、そんなイメージがピッタリです。アルマゲドンやレザボアドッグス、ファーゴなども似たような役柄だったし。癖のある役がピッタリはまる俳優さんだと思います。

映画もさることながら、ソ連の歴史もお勉強できる、楽しい映画でした。
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