最初から最後まで息もつかせぬスピード感。おしゃれで、ウィットに富んでいて、全体的にオーシャンズのような雰囲気が滲んでいる。
知性に裏付けされたユーモアがキャラクターの輪郭をより濃くしていて、面白みもあるのにかっこいい。
頑固なまでに真っ直ぐな信念をもって、躓きに立ち向かうモリーに惚れそうになった。
何より、脚本が秀逸だ。
どこからどこまでが彼女の自伝に沿っているかはわからないが、時に時系列を前後しながら語られる過去と現在のリンクと対比が、メッセージ性をより際立たせているように感じた。フロイトの話題なども、ちゃんと伏線が合ってのこと。
物語さながらの波瀾万丈な人生は、映画は誰かの一生の断片を切り取ったものであることをそのまま体現し尽くしている。
実話を元にしている、ことを抜きにしても、一つの作品として大いに楽しめる映画でした。
