囚人13号

追われる男の囚人13号のレビュー・感想・評価

追われる男(1954年製作の映画)
4.5
背後に警戒しながら生きる運命を背負ったレイ映画の人物に平穏など与えられず、それがやってくるのは決まって誰かが死に映画が終わるときだ。キャグニーを傷つけ、ジョン・デレクとの擬似親子の関係を狂わせる金(資本)が一番の悪という暗示。
パラマウント初のヴィスタヴィジョンと謳いつつカメラはちゃっかりフォックスからレンタルしたものらしく、針葉樹の向こうに聳え立つ山脈という物語に反した美しさこそテクニカラー西部劇の醍醐味であるが、しかしクライマックスを草一本生えてない遺跡で処理してしまうレイは観客を裏切り続ける。
囚人13号

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