nanoko

二十六夜待ちのnanokoのネタバレレビュー・内容・結末

二十六夜待ち(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

3.11ムードがまだ漂う3月13日、被災地で鑑賞。

ぽつらぽつらと震災の話をする主人公に、自分の姿を重ねた。雰囲気を壊すから話してはいけないと思う、だけどこぼれてしまう言葉。ずっと胸に残るあの日の波の音。

隙間もないくらいにしがみつき、何度も肌を重ねるふたり。自分がいまここにいること、生きていることを確かめる行為。重ねる度、殻に閉じ込めてしまった心が少しずつ、少しずつ解かされていく。

「8年が杉谷さんを作っている。それでいいじゃないか」という台詞が出てくる。彼女を作っているのもあの日からの7年。それでいいじゃないか。昔なんてもういいのだ。僕は誰なんだ?なんて問わなくてもいい。今の自分が自分。
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