jinhee

殺人者の記憶法のjinheeのレビュー・感想・評価

殺人者の記憶法(2017年製作の映画)
3.8
今回は原作小説を読んでからの鑑賞だった為、ネタバレの部分で純粋に楽しめない可能性があるかと少し心配していたが、ソル・ギョングとオ・ダルスの時点で観ない選択肢は無かった。
ソル・ギョングは流石の名優で、父親としての温かさと生来の殺人鬼としての冷たさをどちらも真として見せつけてくれた。
オ・ダルス演じる警察は、あの迷宮のような世界の中でホッとさせてくれる。良い。オ・ダルス本当に好きだ。

原作小説は主人公の独白を聞き続けるスタイルで、静かに沼に沈みこまされる作りだった為、映画でこれをどう表現するのか、出来るのかと思っていたら、映画は映画として小説の良さを踏襲したままに映画の得意分野に見事に落とし込んだ。内容以上にすっかり感心してしまった。
静の小説世界に対し、動の映画世界。
その為に内容の変更はあったが、全く抵抗感が無い。(お陰でネタバレどころか逆に裏をかかれたくらいだ)

小説と映画の表現方法の比較としても非常に興味深かった。
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