ウォーターゲート事件を扱ったドキュメンタリー風の映画。権力を使って隠蔽を図ろうとする政権と捜査を通じてその犯罪を立証しようとするFBIとの確執を描く。
法と秩序の番人が自分たちのあるじを捕まえようとするときの緊迫感にリアリティーがあっていい。
FBIの正義は、法と秩序を守ることに対する国家への忠誠心として描かれるが、いつしか、それはFBIという組織を守ることと同質化され、さらにその正義のためなら、自ら法を犯してもやむを得ないという独善へと変質していく。
その揺れる様(さま)をリーアムニーソン、円熟の妙技が見事に演じる。