トンちゃん

青春夜話 Amazing Placeのトンちゃんのレビュー・感想・評価

青春夜話 Amazing Place(2017年製作の映画)
4.4
予告編での「キラキラした青春なんて汚してやる!」の台詞通り、鬱屈した10代を過ごしてきた者たちのルサンチマンに彩られた「裏・青春映画」とでも言うべき作品。

ピンク映画という体裁のため好き嫌いがハッキリと分かれる映画だと思うが、主演の深琴さんが当初能面のような感じでありつつ、どんどん本性をさらけ出していくところは、妙にリアルに感じた。
男性側主人公もイケメンではなく、独特な風貌の須森隆文さんなのも「復讐劇」という物語に奥行きを与えている。
一晩という設定だけど、体を重ねるごとに変化していく男女の微妙な心の機微がちゃんと描かれており、深琴さんも須森さんも、俯きがちで内面はドロドロとした複雑な人物像をちゃんと体現している。
主演の2人が刺激的な濡れ場の連続なのに対して、飯島大介さんと安部智凛さんが演じる学校側の人物たちのシーンは、なんとも言えない温かみがあり、「青春のやり直し」という本作のテーマを多面的に描いている。

あと驚いたのはパンフレットで、他ではあまり見ないほどのボリューム。そのぶんだけ切通理作監督の本作にかける熱意が読み進めるごとに伝わってくる。シナリオがまるまる掲載されているのもお得感があっていい。
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