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ホイットニー:本当の自分でいさせてのERIのレビュー・感想・評価

3.7
ホイットニーは46歳の時バスルームに倒れて亡くなった。


このドキュメンタリーはその13年前のツアーシーンから始まる。圧倒的な歌唱力でI will always love youを歌う。誰にも真似できない唯一の無二のそれ。1999年、33歳の彼女は輝いている。

でもあの歌声を大きなステージで歌い続けることは彼女の心と体をどんどん疲弊させた。

デビューしてすぐ栄光駆け抜けたホイットニーは数々の賞を受賞したが、キャリアを積めば積むほど自分を見失っていく。彼女のイメージを作ったのは母だった。このキャリアを思い描いた母親から彼女は逃れられず、父親や兄には仕事を与えたりしたらしい。名声やお金が手に入ると家族でさえも関係性が変わっていく。

ソウルトレインで、まさかの黒人たちからブーイングを受けた彼女は「本当の自分でいさせて」という口癖を歌詞に込めて歌う。


そしてある時からホイットニーの同性愛の噂が立つ。(実際はバイセクシャルだったみたいだね)音楽業界の異性愛の男たちは、ひどい言葉をかけてきた。当時の音楽業界は同性愛を非難した。黒人社会では男性の同性愛は許されても女性は許されるないと、友人は語る。デビュー当時から彼女を支えてきたロビンとの関係が疑われた。

その後1988年にボビーブラウンとホイットニーは出会った。ボビーはステージに立つ立場として分かり合えることが多かったんだろうな。同時にロビンとの関係も変わっていく。映像見てるとボビーがホイットニーにぞっこんだったんだろうなってのが伝わってくる。ありのままでいられる存在はホイットニーにとってもこの上ない幸せだったんだろうな。

それでも誰よりも自分を理解してくれるロビンとの関係は断ち切れずボビーとロビンはライバルみたいなホイットニーの関心を取りあう間柄だったらしい。複雑だな、、


成功では人は変わらない、名声が人を変える。みんなは私の名前を呼ぶけどわたしのことをしらない、完璧な人生を歩んでると思ってるけどずっと幸せを感じてるわけじゃない、とインタビューで語る彼女。これが本質なんだろうな。


ドラッグは本当に悲しい結末しかない。。幸せな時間は束の間でボビーとホイットニーの共依存の関係は破滅へと向かわせていく。毎日パーティ三昧で、ボビーは浮気しまくってホイットニーの自尊心を傷つけることを言っていたらしい。そんな2人を見守るロビン。



圧倒的な歌唱を見せたツアーの舞台裏、ホイットニーは涙が止まらなくてボロボロだった。会場は鳴り止まない拍手と歓声。言葉にならないな。

挙句の果てには、財務の仕事を任せていた父親に訴訟を起こされてしまって。すごい人生だな。晩年の彼女のインタビューは、声も出てないし痩せ細って。

ボディガード、見直したいなぁ。
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