このレビューはネタバレを含みます
適当に働いて、夢を捨てたような捨ててないような、でも何もしない、小説を読むだけ。
生活に囚われて苦もなく喜もなくただ生を摩耗するというのを東京にいるとすごく感じる。働いて、疲れて、酒飲んでタバコすって、なんとなくセックスして、どうでもいい野球の話を聞かされて。
唯一むかしから応援してくれた幼馴染の母に彼女の病床で再開。
今一度奮起してケジメをつける話。
本読んでるからいい事にしよう、と逃げない。酒に逃げない異性に逃げない。馴れ合ってきた口だけの男には思いの丈をぶつけて断ち切る。
逃げ場を捨てて「生きる」を取り戻そうとする。
それが出来ず、酒飲みで病気をした父親(自分の成れの果て)にも「そんなただ生きてるだけでいいのか!」みたくブチギレておわる。
冷たい雰囲気、カメラの存在を感じさせない記録のような映画。逃げたいとか言い訳したいという弱さや、それでも情けなさを抱えて生きてるりゅうたろうという人がやけにリアルに見えた。