ベルーシ弟が嬉々と演じる悪役を観るための作品。その存在感が演技力の高さを表している。
ストーリーや設定は低予算のためにひねり出されたご都合主義で今ひとつだ。年代的にも93年にビル・マーレイの「恋はデジャブ」などヒット作があり目新しさは無かったと思える。
この手のB級タイムトラベル物は、その設定やストーリーの破綻の仕方を楽しむのが粋ってもので、つっ込んだら負けではあるが、オープニングでいきなり大ボケをかましているのでそこだけはつっ込んでおこう。
過去に送った鼠とテープ。何でテープは2本になって鼠は死体が出てこない?
実験施設がacceleratorだから加速器の事のようだが、どう見ても加速器に見えないところがほのぼのしてる今作。ベルーシの怪演に集中して観ると楽しめる。
余談。1
邦題「リバース」は時間が逆行しているのではないので、ちょっとニュアンスが違う。
原題の「RETROACTIVE」がピッタリだろう。
なんてえらそうに言っているが、日本語で溯及(そきゅう)の事らしい。
溯及???ってなるのだが、「過去に遡ること、または過去に遡って言及することを意味する表現」だそうだ。
余談。2
無理矢理なハッピーエンドで終わっているが、エンドマーク後の世界がどうなるかは知らん顔。
ちょっとでも想像出来れば開発者が死んでマシンが壊れるオチをつけたはず。
だって、タイムマシンが存在する世界なんて崩壊以外ないだろ。