Naoya

判決、ふたつの希望のNaoyaのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
3.1
キリスト教徒の男とパレスチナ難民の男との間に起きたささいな口論から、法廷での論戦へと持ち込まれる、ヒューマンドラマ作。ささいな出来事から、国の情勢をも絡ませる展開は見応えがある。シンプルな問題ながら、複雑に絡んでいく人と人、そして、その人が関係している宗教や紛争、政治などの繊細な部分が、とても丁寧に描かれていて、考えさせられる。複雑な展開が描かれながらも、しっかりと人の素晴らしさ、健気さ、優しさと、悪い面ばかりではない人の姿が素敵に映ります。リアリティがあります。一括りには出来ない、〝正義〟とは何かが描かれていて、法廷でのシーンは考えさせられる場面ばかり。社会派ドラマとして素敵な構成。国の内情を濃く描いており、馴染みのないものもあるが、誰もが得られる人の在り方を感じさせられる物語になってます。きっかけともなる出来事から、一部始終丁寧に描かれることで、結末の感慨深さも強いものがある。
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