ゆうか

判決、ふたつの希望のゆうかのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
3.5
侮辱と暴行、どちらに非があるのか。当人2人の意思を超えたところで、どんどん大きくなっていく問題。
レバノンとパレスチナ(難民)の問題には正直詳しくないだけに、ストーリー当初は、トニー(レバノン側)の態度の悪さに違和感を抱いていたのですが、裁判を重ねて、レバノンパレスチナ間の遺恨が明らかになっていくことで、『個人と国家の問題は違う』と言い切ることが、どれだけ感情的に難しいかを感じるようになりました。正論はそうなのですが、言うは易しというやつです。
結末は、正論に立ち返ってのという感じでしたが、当人たちが最後スッキリした顔をしており、希望を感じられる終わり方で良かったです。
裁判外で行ったやり取りによりお互いの個人への理解を少しは深めることができたということでしょうか。

異なる民族間の摩擦は日本にとってさえ人ごとではありません。
『歴史を変えることはできない、過去を踏まえ如何に前向きな選択をするかだ』作中で政治家が言っていた言葉ですが、当事者になるとなんて難しいことか。
ゆうか

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