ねるさん

判決、ふたつの希望のねるさんのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
4.8
今ホットなレバノンの法廷を描いた映画。
汚職まみれの法廷での戦いを描いた映画とか思ってたら全然違った。

描かれている法廷は極めて清廉で公平無私なものだった。

いわゆるヘイトクライム、難民問題、内戦問題をそれぞれの胸に抱いたまま日々を過ごしている人たちが、感情的なささいな諍いから、大きな、政治的なものを巻き込んだ争いになってゆく。

この映画の結末には、現代の日本人でも腑に落ちる価値観が提示されている。
これがレバノンという宗教も文化も違う異郷から提示されている事に、とても大きな意義があると感じる。

それにしても、感情のコントロールが上手い映画で、コイツ悪い奴やな!という所から、最後には視聴者もある程度の赦しを与えるような優しい気持ちになるように作られている。

ただ、映画の冒頭にあるようにこれは、監督や撮影者の一つの価値観にすぎない。
それでも、ある程度普遍的で、世界にとって希望になる価値観だと思いたい。
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