YokoGoto

グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブルのYokoGotoのレビュー・感想・評価

3.2
<『タイタニック』は、すべてにおいて完璧な映画(by グザヴィエ・ドラン)>

”グザヴィエ・ドランは、成熟した大人と、未完成の子どもが共存している。”
本ドキュメンタリー映画の中で、彼の作品に関わったキャストの一人が発した言葉が、彼のすべてを表す。
たしかに、彼の作品には、人間の奥底をじっと見つめ、問いを投げかけるような哲学的視点と、子どもが自由にキャンバスに絵をなぐりがきするような、縦横無尽に何にもとらわれない映像表現が混在し、どこまでもどこまでも、人を引きつける魅力にあふれている。

この言葉が、彼の魅力であると言っても過言ではないだろう。

グザヴィエ・ドラン作品は、実は『My Mother』よりも先に、『胸騒ぎの恋人』を観た。
その映像表現の独特な雰囲気に、一気に引き込まれて、映画監督としての彼を強烈に知りたくなった。

彼が世に出した作品すべて、ドランの色に染まり、ドランの哲学に胸震わされる。

誰がなんといおうと、『若き天才、映画監督』。

本作は、そんなグザヴィエ・ドランの映画との向き合い方や、作り方を、共演者のインタビューを交えて綴ったドキュメンタリー映画。
(映画自体は、ドラン自身が作ったものではなく別の監督の作品です)

内容は、なんとなくこれまで見聞きしていたグザヴィエ・ドランの情報が多かったが、共演者の話は、なかなか興味深いものがあった。

本作で、グザヴィエ・ドランが『タイタニックは、映画として全てにおいて完璧』と言っていた。私もそう思う。事実、タイタニックは劇場で3回みたし、オールタイムベストの上位に入る。

映画『タイタニック」は、映画が好きな人が、何を求めているかを知り尽くした作品だと思う。
そして、グザヴィエ・ドラン監督作品もしかり。

映画好きには、たまらない世界観を具現化させる、とてつもない天才。
YokoGoto

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