たぶん、アニメーションに分類されるんだろうけれど、素直にそうとも捉えられない作品。
実写をベースに、加工と、合成を織り交ぜた、独特の映像がとにかく目を引く。
実写とアニメは決して融合しておらず、どこかその中間のような不思議な世界が広がる。
違和感しかないのに、その違和感がそのまま世界観になっているような感じだ。
その辺はたぶん監督も十分にわかっているのだろう。
映画はこの違和感を徹底的に追及していく。
実写にもアニメにも見える人物。言葉になっていない台詞までもが表示される字幕。
どれもが現実離れしているのに、妙に現実的でもある。
この違和感だけで、一人の男の人生をたったの30分で描き切ってしまった手腕に感動した。
