ニジム

悲しみに、こんにちはのニジムのレビュー・感想・評価

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)
4.0
母を亡くした幼い少女フリーダは田舎暮らしの母の妹夫婦に引き取られる。暖かく迎え入れられるものの何かと問題は起き、その度に気持ちの行き違いが生じ、フリーダは「わたしは嫌われている」と思い込むようになる。
なんてことない子供の頃の夏の思い出で、フリーダは気ままに過ごす。なぜここに来たのかを時折思い出しはするのだけれど。
最後の最後、唐突にフリーダは母の死を受け入れるのだけれど、その様子、とてもよく分かる。突然、「分かる」よな、こういうのって。
一家の中の文字通り異分子で、見ているこちらまでハラハラすることばかりなのだけれど(従妹のアナは、10回は死ぬチャンスがあったはず)、すんなりまとまるなんてことはなく、こういったあれやこれやがあって、粘土のように形が作られるのだろうな。
若いおば夫妻か何度かフリーダに本気で腹を立てるのだけれど、それもよく分かるよ、うん。そして、どんなことされても「わたしはフリーダが好きよ」と返すアナの可愛さよ。
とてもよく描かれているなと思ったら、最後に「母ネウスへ」と出て、あ、これって監督の実体験が元になってるのかな。

後半出てきたでかいかぶりものや人が入った巨大な人形のお祭りは、メルセ祭なのかな。
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