このレビューはネタバレを含みます
リアルすぎてかなりしんどい。胸糞悪く感じるし、ラストはホラーに近い。
音楽がなく長回しのシーンが多いので、時間が経つのが遅く、終わりがない恐怖のように感じる。
母親を守るために連絡先や住所を必死に教えないようにするが、結局は力で相手の思い通りにさせられてしまうシーンでは、ジュリアンの表情から無力感や罪悪感が読み取れる。堪えきれない悔しさや涙を表現する演技が本当に上手だった。車内のシーンでは、まさに父親からは(どこにも)逃げられないことを揶揄しているようだった。
恐怖感が増していき、最後は命の危険にまで恐怖が増していく。浴槽の中で身を寄せ合って声を抑えながら泣く親子を見るのはかなり辛い。
通報者である隣人の女性が玄関ドアから、ジュリアンの家を見ていることに気がついた警察官が玄関ドアを締め、それに続き通報者も玄関を閉めて映画が終わるラストは観客と隣人が重なって見えるし、魅せ方がかなり上手。