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ジュリアンのperoのレビュー・感想・評価

ジュリアン(2017年製作の映画)
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ここ20年見た映画で一番怖かった。

DV夫アントワーヌから逃げ、ミリアムはひっそりと暮らそうとしていたが息子ジュリアンの面会権を取られてしまい、二週間に一度はアントワーヌにジュリアンは会わなければいけなくなってしまう。ジュリアンは執拗に母に執着する父親から必死に母を庇おうとするが…

静かに積み重ねられるDV夫アントワーヌのピリピリとした精神に気を使う周りの人々。決して台詞には出ないけれど、それによってこの家族はどんな嫌な目に遭ってきたのかを想像させられる。

家族という閉鎖環境。
きちんと法的手続を踏んだにもかかわらず、DV夫に会わければいけない怖さ。

司法も頼りにはなれないとしたらミリアムやジュリアンは何に助けを求めればいいのか…ジュリアンの姉のジョセフィーヌの歌っているシーンの目の動きが不安さを語るように、彼女たちは何にも守られていない。

車の中のシートベルトをしていない時に鳴るあのピーピーと言う不快な音がこの映画のBGM。

ハネケ映画のような神経に障る嫌さの先にDV夫がモンスターとして描かれる後半。

この映画はホラー映画だと思う、けれどそのモンスターは隣の家庭にいるかもしれない。
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