ホラー映画よりもまじ怖かった。男性にもぜひ見てほしい。
いきなりエンドロールに入ったとき、詰めていた息が肺から一気に出た。この映画にはクライマックスがあるけれど、多くの場合はクライマックスなしに、ジュリアンが映画前半で耐えていたようなチリチリした恐怖が何年も続くのだろう。その過程で、子どもの心がどれほど影響を受けるかを考えると本当に恐ろしい。
2月14日、野田市のDV虐待死亡事件をめぐり、緊急院内集会があった。そこで専門家が強調していたのは、DVと児童虐待は一体であり、ハラスメントは根底で全部つながっていること、加害者が求めるのは「支配とコントロール」であるということだ。この映画にはそれが非常に端的に描かれている。
私が子どもの時から知っている親世代の女性が、何十年もの間、夫のDVに耐えてきたということを、つい２、３年前に知った。DVも虐待も遠いどこかの話ではなく、すぐ身近にある。知らない、気が付かないだけで。だからこの社会のすべての人が、この問題を理解する必要がある。そのためにまず、この映画をお勧めします。
