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ジュリアンの白のレビュー・感想・評価

ジュリアン(2017年製作の映画)
4.0
緊張感の正体は終わりなきゲバルトの予感。
「家族」が共同体の生存戦略と仲間意識を最早内包しない先進国における制度としての蟠りを描くために、敢えて映画はジュリアンに焦点を絞らない。
自分が何処へ向かうのか。それを知らない登場人物の無自覚さがファルハディ的。父親の性格悲劇の要素が被害者-加害者の二項対立的勧善懲悪を避けているからこそ「慟哭のラスト」と言えるのかも。
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