サンタフェ

ジョン・ウィック:パラベラムのサンタフェのレビュー・感想・評価

3.5
古き良きシリーズもの3という趣き。

前後と特に繋がりもなくシナリオもわりとノリ。正しくお祭り映画で楽しく気軽に観れてよいですね。昨今の予習が必要な重々シリーズ展開溢れる映画界にもこのような良心のようなシリーズがいてくれて嬉しいです。

序盤からひたすら敵が襲ってくる→倒すのシンプルな形式で楽しい!馬の使い方が秀逸でした😂

めちゃくちゃ上手いFPSゲームのプレー動画を観ているような気持ちになれる本シリーズですが、終盤の敵の装甲性能が上がるというアイデアはまさにゲーム的で楽しかったです。すぐさまハンドガンを頭部に至近距離で連発することで対策をするジョンウィック、さらに装甲を貫くショットガンを装備、という展開が気持ちよい。

ただ本作でボスをシラットにしてしまったのはあまりジョンウィックの作風と合っていないように感じました。

ジョンウィックのアクションの面白さは見栄えではなく殺しへの最短距離となっていることであり、それゆえにアクションというよりは最適な競技プレーを観ているかのような爽快感があります。見栄えの極地であったマトリックスを演じたキアヌが主演なこともあり、1ではそのスタイルがとても新鮮に見えました。

一方でシラットなどアジアの格闘アクションはどちらかというと見栄え側であり、具体的にはボス2人がジョンウィックを殺せる気がしませんでした…。というよりは殺そうとしていないように見えるといった方が正しいでしょうか。ジョンウィックも相手のスタイルに合わせなければいけないのですぐに首を折ったりなどはできず間伸びしたように感じました。異種格闘技的な面白さで言えば序盤のvs大男の方が楽しかったです。

それでも全編通して楽しく観れることは流石の一言で映像もアクションも素晴らしく4.0の満足度でした。

-0.5の話

ハリウッド恒例、本作でも出てきた雑JAPANは本当にもったいなかったですね〜〜〜…。特に本作は二重の意味で残念でした。

①JAPANが出てくるけど別に全然日本じゃない(いつもの)
②シラットアクションというインドネシアの素晴らしい新要素を取り入れていたのに、それを正しくインドネシア(少なくとも東南アジア)のものとしてプレゼンテーションできていない。むしろ日本のものっぽく使っている

とりわけ②が非常に残念でした。

私はたまたま周りの方がザレイドの話をしていたのでシラットもザレイドの存在も知っていましたが(ザレイドは観たことはない)、ただ本作を観てもそのあたりのバックグラウンドは全く伝わらないのではないでしょうか。日本人にとってもインドネシアの方にとってもこの使われ方は物凄く失礼なんじゃないですかね。残念です。それともザレイドが忍者モチーフなんですかね?
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