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ジョン・ウィック:パラベラムのkensyoのレビュー・感想・評価

4.0
色彩が大変にクール。アクションのテンポと爽快感が素晴らしい。ただ、ジョンの動きが洗練されてない…(やっぱりワザとなのかな)。

アクションのスピード感が「チャプター2」より良くなってて、カメラワークとか殺陣の組み立てとか、香港映画をすごく研究して分解して再組み立てしたみたいだった。
こう言う、違う文化を分析して組み立て直して、モリモリ映画の表現が進んで行くところはアメリカンパワー!って思ったしすごいなと思った。

FPSとかのゲームと映画の融合!と思ったシリーズの銃撃戦描写も、チャプター2では少しなりを潜めたなと思ったけど、チャプター3では復活してた。
「防弾技術が進化した」と言う触れ込みで滅茶苦茶大量に弾を撃ち込んだりするのは、すごくゲームっぽいけど、ビジュアルとテンポに爽快感があって大変良かったです。
"We need more fire power!"という台詞の力強さ…。

古い香港映画絵のオマージュも面白かったです。
チャプター2ではブルース・リーの鏡の間へのオマージュがあったけど、今回はジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー」とか「プロジェクトA」へのオマージュが感じられたりして面白い。
格闘してガラスに突っ込みまくるところとか、高いところから落下したりとか。

今回の描写は結構ジャッキーっぽいテンポとか殺陣とかが多かった気がする。
メキシカン・スタンドオフ!と思ったらお互い弾倉が空で慌ててリロード、とか、随所随所ジャッキーっぽい。
ただ、ジョンはひたすらシリアスにやってるから「この描写はコメディとして描いた…わけじゃないのか」みたいに反応に困るところもあったな。

ローレンス・フィッシュバーンに相変わらず宗教じみた言い回しをさせてみたり、香港映画のオマージュが随所にあったりとか、ちょいちょい元ネタ知ってたら面白いよね、っていうサービスが盛り込まれてる。

ただ、ニンジャ達の行動原理がよく分からなかった…。

毎回ボロボロになって作品のエンドロールを迎えるのに、1作目の直後から「チャプター2」が始まって、その直後から「チャプター3(パラペラム)」が始まってて、ジョンはシリーズ通して不眠不休で死体の山を築いてるっていう感じだ…。
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