たく

さびしんぼうのたくのレビュー・感想・評価

さびしんぼう(1985年製作の映画)
3.3
尾道三部作のラストを初鑑賞。
昨日観た「時かけ」に比べてかなりコメディ路線で、いいかげん後半になるまでのサムいおちゃらけがキツかったな~。学芸会スタイルは一緒なんだけど、どんな映画でもギャグ要素に傾くとやっぱり古臭さが出るね。

住職の息子の男子高校生が寺の隣の高校でいつもショパン「別れの曲」を弾いてる美少女をファインダー越しに魅入ってるところから始まり、寺の大掃除をきっかけに奇妙な服と白メイクを纏った幽霊みたいな少女が現れ始めて母子ともども翻弄されていく話。

富田靖子が一人二役をやっててどっちも「さびしんぼう」って呼ばれるので、この二人に何か関連があるのかと最後までワクワクしながら観ていくと、結局関係ないんかーい!って拍子抜け。幽霊っぽい方は途中の尻たたきの演出で正体が何となくわかるんだけど、翳のある謎めいた美少女は最後まで事情が分からなくて、親が裏稼業に関わってるのか?とか、はたまた思春期のモテない男子を大林監督自身に重ねてるってことなのか微妙な余白を残す感じ。
観終わってみると、物語の主軸が親子愛の方だったっていうのが意外だった。

全編に流れる「別れの曲」をモチーフにしたBGMでピアノとオケのタイミングがぎこちなくズレてるのがもどかしい感じ。
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