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ターミネーター ニュー・フェイトのJIZEのレビュー・感想・評価

4.6
スカイネットの台頭を阻止し"ジャッジメントデイ(審判の日)"を回避したその後を舞台にふたたび近未来から輸送された最新型ターミネーターREV-9との激闘が描かれるSFアクション映画‼︎まず冒頭でエドワード・ファーロング演づるジョン・コナーとリンダ・ハミルトン演づるサラ・コナーがメキシコのビーチで当時の面影のまま登場するが、最初から涙腺崩壊の胸アツ展開で、直接地続きな続編テリングの描き込みに驚き歓喜する。ぶっちゃけ最初のココ数分のシーンだけで元が取れるような郷愁感すらあった。端的に云えばシリーズ最大の人気を博した『ターミネーター2(1991年)』の既存プロットをほぼ(特に前半は)踏襲していて、次第に仲間が増える同窓会要素も加えつつ、後半で完膚なきまでの超人アクション展開が大迫力なスケールと共に魅せ場の連打でガンガン浴びせてくれる。いわば新シリーズ開幕における真逆のアプローチをとらず、旧ふぁんへの目配せとして接待要素テンコ盛りのファンムービー化へ踏み切った印象をうける。そうした守りの判断は過去シリーズ3,4,5でコケた事実を間に受ければ結果的におれは肯定派だったが。。約28年ぶりにリンダ・ハミルトンがシリーズへ待望の復帰を遂げた事やジェームズキャメロンが製作に戻った事などココの時点で作品に賭ける本気度がうかがえたし、本編以上に体内温度があがる箇所であろう。前半から後半で主要キャラが出揃う高揚感や今回敵となるREV-9の分裂してほぼ無敵状態の怪物が標的を追い詰める執拗さ(ターミネーター らしさ)も健在していたように思う。途切れずに場所を変えてアクションが配されるカタルシスはめちゃんこ快感で絵的にも面白かったです。どうせならT-1000を演じたロバート・パトリックも今回で再復帰すれば完璧だった。

→総評(I’ll be back……約束が叶う新たな開幕戦)。
総じて方向性的にも旧キャストを再当番させつつ現代的な語り口で新たに映し出す十分アリな続編だと思う。ぶっちゃけマッケンジー・デイヴィス演じるグレースの人口強化された身体能力のタフさと人間っぽさを併せ持つ両方の魅力に惹かれたし、彼女が大部分のシーンの魅せ場を牽引してる感じはある。ゆえに彼女の結末は個人的に残念にならない。本作を観ていると何よりそれぞれの"変わらなさ"が逆にリアルで、時代は変われど本質的には何も変わってない象徴のようである。アーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800の魅せ場もここぞとばかりにデフォルメされていて、当時の現役さながら。中盤でT-800が家内で黒縁のサングラスを掛けようとしてかけないくだりも、家族を持ちターミネーターを脱したい想いの表れか。重要なシーンで響き渡るメインテーマや名セリフでのキメ描写も唸るポイントだろう。二作目の溶鉱炉に落ちる寸前のシーンで死にぎわにT-800が I’ll be backとサラとジョンに向け放ったが、今回は…も十分見所である。特に後半の怒涛のアクションシークエンスが連打的に輸送機上空から次々に入れ替わる場面転換も凄過ぎて圧倒されました。というよう観る前はパート2のキャストの勢揃いがインパクト大過ぎて色々ハードルが上がり気味だったが、従来のSFの世界線を意識しつつも現代仕様で構築した新たな一品に仕上がっている。
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