おと

パンとバスと2度目のハツコイのおとのレビュー・感想・評価

3.8
今泉監督の作品は好きなものが多いけれど、この映画は好きになれなかった。

空気感や表に出さないでいる感情を見ている側に感じさせる力が強い作品を作る監督だと思っているのだけど、セリフで全てを語り尽くしてしまっているので遊びがないと感じた。

一つの見せ場である高台のシーンにも乗り切れなかったし、むしろ少し引いてしまう自分がいた。
達観しているようで迷路に迷い込んでいる監督の恋愛観は変わらずでその点は良かったし、片想いだから好きでい続けられるという考えにもなるほどとかなり腑に落ちたセリフもあったけれど、全体としてはただのふわふわとした話になってしまっているように感じて残念だった。
なによりもタモツの演技がひどすぎてセリフがあまり頭に入ってこない。

恋愛観は一貫しつつ面白くも、今泉監督の強みが出ていない映画だと思う。
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