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ダウンレンジのJIZEのレビュー・感想・評価

ダウンレンジ(2017年製作の映画)
3.4
広大な昼間の山道を舞台に6人の大学生が車の相乗りで目的地までを横断する最中に片側のタイヤがパンクした事から恐怖に見舞われる様を描いたバイオレンスシチュエーション映画‼︎冒頭約5秒で本題に移る導入部の潔さは後にも先にも一番の賞賛に値した。原題の「Downrange」は直訳で"銃弾の射程範域"。簡潔に云えば生存者たちの脱出方法の模索がレパートリー豊富で楽しい。例えば車体に隠れながら自撮り棒の音声認識機能で腕を伸ばして電波の受信を試しみたり車がある斜めの地形を利用した元いた場所からの大胆な移動など道ならではの状況や時間の変化を含め場面が転換しない粘り強い面白味があった。また狙撃手の位置を思いがけない方法で掴み取る機転もステレオタイプではないか。敵が忍耐強く待つ性質だからこそ全方位逃げ場がない辛くて嫌な感覚にさせられる。身を隠す術は乗っていた車と切り株だけという遮断物の少なさも構成の交通整備がなされ良かったように感じました。ただ作品の不満は若者たちを襲う動機や序盤で登場した亡くなった者等に手向けられる品々の伏線が回収されてない点であろう。あと誰一人主要キャラが立ってないのも不満で後半で登場するある暴走してしまう脇役の警官が一番印象に残った。ただ何だかんだ求めてた展開をゴア描写満載で急ピッチにぶっかけられるのでこういう音楽の無音演出然りロウバジェットのジャンル映画好きには堪らなく愛しい作品であった。
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