あでゆ

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のあでゆのレビュー・感想・評価

2.8
デリーという田舎町に出没し子供たちの命を奪っていた正体不明のペニーワイズを、ビルやベバリーらルーザーズ・クラブのメンバーたちが撃退してから27年後。再びデリーで不可解な連続児童失踪事件が起き、クラブのメンバーにデリーへ帰ってくるように促すメッセージが届く。そしてビルたちは、デリーに集結し久々に顔を合わせる。

一作目の出来は正直かなり良かったと思うのだが、今作は途中何度寝そうになったか分からないほどに退屈な映画だった。

前作でまとめて子供時代をやってしまったため、やることがなくなってほとんど前作の特典映像未公開シーン集みたいな映画になってしまっている。
途中途中で挟まれる回想シーンも、子供時代の彼らの関係を深めるのにはまぁいいのかもしれないが、IT事件そのものは完全に進行がストップしてしまっているため、これ3時間にも上映時間を伸ばして流す意味あるの?という気持ちにならざるを得ない。
正直原作の時から大人時代ってそんなにやる事ないので、時間軸別々になったことによってすごく退屈な時間が増えている。

チュードの儀式も、改変されてこの過去回想のための理由づけ程度にしかなっていないし、だったら別に儀式自体なくても良かったんじゃないかと思う。
それに本作だと、この儀式自体は何の意味もない。意味がなさ過ぎて、儀式を積極的に推し進めてきた彼はペニーワイズの手先になったんじゃないかと思ったほどだ。よくある調べ過ぎてミイラ取りになったみたいな展開かと思いきや、ただアホなだけだった。ミイラ取り展開の方がこの際良かったと思う。

映像も前作良かったのに、27年経っても子供騙しのようなびっくり箱方式から技術的にもコンセプト的にもまるで進歩がない。アレやって負けたんだからちょっとは出し方を変えたらどうだと思ったんだが、子供時代と同じように驚くおっさんたちは観ていて結構辛い気分になった。
例えば27年前の前作『IT』はもっと雰囲気違ったんだから、その年どしでホラーのテイストが変わるというふうにしても解釈としては面白かったはずだ。

褒めるべきはキャスティングはとてもよく、どのキャラがどの大人になったのかが見た目と演技の強さで直感的にとてもわかりやすくなっていたのは、本当に素晴らしいと思う。
エレン・ペイジそっくりな彼女をジェシカ・チャステインがやってるのは納得いかなかったが。
ただラストの全員が事件覚えてるのは本当無いと思う。あと悪ガキが何のためにいるのかよくわからないくらい機能していなかった。
あでゆ

あでゆ