かさい

富美子の足のかさいのネタバレレビュー・内容・結末

富美子の足(2018年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

谷崎の原作を読んでいる身としては、足に対する理解が足りないように感じた。
原作には「僕は一人の男子として生きて居るよりも、こんな美しい踵となってお富美さんの足の裏に附く事が出来れば、其の方がどんなに幸福だが知れないとさえ思いました。それでなければ、お富美さんの踵に踏まれる畳になりたいとも思いました」という主人公の独白がある。
劇中では富美子の足というものは、どんな男をも惑わす凶器のような存在である。谷崎の描いた富美子の足は、男が征服したい・されたいと望むものではない。男たちが自ずと頭を垂れてしまうような悪魔的な魅力のものである。谷崎が富美子の足を通して美とは何かを追求しようとしたのに対し、映画内での富美子の足は性癖の延長線上のエログロで終わってしまった。
暴力的な結末となってしまったのは必然なのかもしれない。
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