Jonayama

アイアン・スカイ ディレクターズカット版のJonayamaのレビュー・感想・評価

4.3
フィンランド、ドイツ、オーストラリア合作のSFコメディ映画。
なんと1945年に月へ逃げのびていたナチスが軍備を整え、現代の地球を征服せんと襲来するというトンデモ過ぎる設定のストーリーが話題を呼んだSF映画の珍作である。

あらすじだけでもうププッときちゃうくらいなのだが、本編もブラックなジョークと下品でしょーもないギャグが満載の映画でいちいち挙げていったらキリがないレベルで繰り出される迷言の数々にただただ圧倒される。
ダメな人は何がおもしろいのかわからない作品かもしれないが自分のようにしょーもないギャグが好きな人もまたたくさんいたらしく、ティーザー動画を元手に制作費のカンパを募ったところ日本円にして1億円近く集まったらしい(笑)

題材や内容的に明らかにB級映画なのだが映像やCGはムダにハイクオリティで細かな設定や小ネタもたくさん盛り込まれとても情報量が多い。バカバカしい映画なのにムダに作り込まれているのもまた笑える。

月に住む技術や宇宙を飛行する宇宙船(アダムスキー型U.F.Oのいかにもなスタイルなのがまた笑)を擁するのにスマホにビックリしたり他の面では完全に当時のままここまで来てしまったナチスの面々がこっけいでこれまたおもしろい(笑)

はじめからおわりまでとにかくムチャクチャなストーリーでブラックなジョークも多いためマニア向けのテンションではあるが、アメリカ映画とは違うやや湿り気のある独特なSFコメディだ。
ちょっとマニアックな映画好きにぜひおすすめしたい高品質なB級映画だ(笑)
ハマる人には終始笑いの尽きないステキな作品だろう。
そしてナチスの"地球"学者レナーテを演じたユリア・ディーツェがとにかく美人でかわいすぎ。なんだあの色気は。

そしてちょっとネタバレになるが終盤の地球側の艦隊とナチスの超巨大戦艦が戦うところは『さらば宇宙戦艦ヤマト』を観てる気分になったw
武器無しフィンランド艦の役立たずっぷりときたら…(笑)

ちなみにサントラは昨年北朝鮮公演を成功させた旧ユーゴスラビアで結成されたマーシャルインダストリアルミュージックの生きた伝説、LAIBACHが担当している。
ナチスの格好をして演奏する彼らにハマりすぎの依頼だ(笑)
サントラと新譜買おうかな…

そしてそしてまさかの中国を舞台にした続編が作られるそうな!!観なきゃ!
サントラはRAMMSTEINかな?(笑)
Jonayama

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