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地球はお祭り騒ぎのmiのレビュー・感想・評価

地球はお祭り騒ぎ(2017年製作の映画)
4.2
日常の執拗なまでの反復によって、際立たされる非日常の多幸感。
日常風景はさながらラヴディアスだったので正直眠くもなってしまったけど、「喋らない」縛りを作ったことによって生み出された、後追いダッシュの威力は凄まじい。
犬の「リンゴ」が可愛すぎるし、足立紳さんも言ってたけど、動物プロダクションの犬には出来ない素のリアクションをカメラの前で繰り返していたのは素直に驚いた。
ホンダの日常において、なんでポットがあるのにヤカンでお湯沸かしてるんだろう?とか、一階のレトロな二台の外車はなんなんだ?とか、やたら出勤遅いし、もしかしたら社長なのか?とか、気になることは山ほどあるけど説明がない分心地いい。
ずっとラジオから流れる世界情勢そのものも「お祭り騒ぎ」。栃木の日常との対比に驚かされる。
ホンダが顕微鏡で覗くタイミングで必ず昼休みのチャイムが鳴るのとかも実に気になる。
とにかく今回の渡辺紘文の車中トークのキレは素晴らしい。
文句を言ってても笑えるっていうのは、誰にでも出来る芸当ではない。
神がかったタイミングでの「おい危ねえな」には爆笑。
「普通は走り出す」のほうが企画が乗ってて面白いともとれるけど、今作は違うテイストでそれはそれですごく良かった。

とりあえず、まさかの展開で武正晴監督が隣の席だったので、すげえ緊張してしまった。
結構笑ってたな、あとガラケー使ってて勝手に好感があがった。

メモ
今村昌平の金言。映画は人間の生活を映し出すもの。


2019劇場鑑賞174本目
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