シネマ5454

シリアにてのシネマ5454のレビュー・感想・評価

シリアにて(2017年製作の映画)
4.3
2022-211本目

戦争の日常を淡々と描いた作品。
これ、演技なの?お芝居なの?って思いました。迫真という言葉が陳腐に思える。 

ドラマチックとはまるで逆なので、見応えを感じる人、面白みを感じない人に分かれると思います。最近の大手の映画館にかかる映画が好みの人はダメかもしれません。

初めはワンシチュエーションだし、音だけだなぁと思っていたのに…。話が進むにつれて、すごい緊迫感!ラストはもう、固唾を呑んで見守ってしまいました。

それから、日本が知ってる戦争とはまるで違った戦争なんだ、と思いました。地形的なことや、時代的なことなど、いろいろ要因はあると思うのですが、、。
戦争というものをメディアを通して疑似体験するしかない我々。こういった作品を見て「今起きている戦争」というものの見方を、深めたり、広げたりする必要を感じました。

フランス、ベルギー、レバノンの合作なのですかね?この世絵な作品を作ることのできるその国々の映画界にリスペクト。
今の邦画なら、無理だろうなぁ、と思いました。有名な俳優を使って、妙にドラマチックに、ヒロイックにしちゃうんでしょうねぇ。
いい役者さんはたくさんいるし、作り手も良い方はたくさんいらっしゃるだろうけど、きっとそれを見ようとする観客がねぇ…。そしたら、それにお金を出す人もなぁ…。なんてことを徒然なるままに考えちゃいました。


ラストシーン。セリフもなく、外を見つめる義父。なかなか長かったけど、素晴らしいシーンでした。今の邦画界にこれ、できる人いるのでしょうか?など、つまらないことなんですが、比べちゃう自分がいました。
シネマ5454

シネマ5454