来世ではきっとパリピに

シリアにての来世ではきっとパリピにのレビュー・感想・評価

シリアにて(2017年製作の映画)
3.4
戦争物というと兵士や戦いの中での人間模様を描くものが多いが、これは戦地に生きる"市民"のリアルがひしひしと伝わる作品。

エンタメ性はほぼ無く、光も救いも無い作品だが、そこに"人の強さ"を見た気がする。

緊迫した状況下で我が子を守ろうとする母の覚悟、赤の他人をも受け入れる慈愛の心、そんな状況でも他者を慰る"人"の心、連絡の付かない夫を信じて待つ妻。
色んな"強さ"を感じられた。

そしてあの終わり方には『この先の見えない絶望には未だ光がさしていない』という、現実世界へのメタファー的な意味もあるのかもしれない。