音楽の世界ではある曲のコード進行を用いて新たな曲が生まれる。文学から、映画からも新たな文学、新たなが映画が生まれる。
「サッドヒルを掘り返せ」はその見事な達成だが、さらに見ているとそれどころではなく、ここには「続 夕陽のガンマン」を「マイ・ラスト・ムービー」とした人たちがいると映った。
そして「続 夕日のガンマン」はかれらの守護神として微笑んでいるようだ。お墓へ持っていく一本と思い定めた人々に、その一本は守護神と化す。
一昨年、ウィーンを旅して「第三の男」の観覧車の公園とラストシーンの墓地へ行き、大いに感激したけれど「マイ・ラスト・ムービー」はまだ未定だ。
もっとも僕には「マイ・ラスト，ソング」はある。立教大学にある「鈴懸の径」の碑が毀損されたりしたら、きっと修復に駆けつけるだろう。「続 夕陽のガンマン」のサッドヒルを復原した人々を見習って。
でも、「マイ・ラスト・ムービー」は定め難い。博捜はよいが、多情ではだめだ。守護神の微笑みは見られるだろうか。
