スギノイチ

兵隊やくざ 大脱走のスギノイチのレビュー・感想・評価

兵隊やくざ 大脱走(1966年製作の映画)
4.5
前半は『続』の短縮版みたいな内容だ。
手紙の宛先にと「乙丸、染子、珠子、それに桃子…」と、歴代のヒロインの名を挙げる大宮。
設定の緩いシリーズだが、一応本作までは連続している話なんだな。
慰問団としてやってきた安田道代の体を要求する班長。またしても糞上官だ。
そんな下種共をあっという間にやっつけるヒーロー大宮。
格好良く助けたのに「い…一発だけお願い!」と懇願してしまうのが大宮というキャラクターの面白い所。
無事に一発やることができ、一緒に内地にと誘われるが、またも女より有田を取る大宮。
しかも有田が戦死したと誤解し赤子のように泣きじゃくる始末。再会シーンは完全にラブシーン。

後半から完全に別の映画となる。今度は将校に化けた2人がまた軍隊に潜り込む。
「もしも大宮が将校になったら」のコメディが始まるのだが、ここがなかなか楽しい。
(芦屋雁之助とのやり取りでは「悪名」パロディも)
クライマックスでは、遂に数十人の民間人を率いて「大脱走」してしまう。
この時の有田が民衆を統率するシーンはシリーズ屈指の活躍ぶり。

大宮、有田、青柳それぞれに見せ場がありアクションもコメディもふんだんで、これまでのシリーズの集大成的作品だ。
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