このレビューはネタバレを含みます
善意や愛をまるっと抜いた学園ホラー作品と感じました。
唯一愛を感じられるのは怪物からという。
というより、もはや誰が怪物なのか。
大人でも子どもでもない中途半端な時期の残酷さ、守ってくれる大人ばかりでない残酷さ、差別が根本にある残酷さ、良心ばかりで回っているわけではない世の中の残酷さ、、、などなど。
悪者かバカしかいないなんてセリフがあったけれど、ほんとにそんな世界。世の中に幾多も転がっている残酷さを、これだけ自然な表現でまとめあげられるのかと感心します。
生徒の乗るバスが襲われるシーン、スローテンポな音楽とパニックで大混乱な車内の映像の対比が美しい。
最後に平然とガムを膨らませて、怪物の目の前で写真をとる女子生徒。飛び散る血液。
胸糞悪いシーンは多いけれど、身を削られながら最後まで見続けたくなってしまう。
どの作品ともダブらない、究極バランスの良作でした！
