私は映画にこういう嘘をずっと求めてるんだよな
芸道もので親子もので恋愛要素もあるけど、親子ものと恋愛関係に同時に師弟関係があって、みんなの人としての軸には芸事がある。
物凄い深いケンカしても、その軸でつながってる。
一人一人の生き方に筋が通ってる作品で、観てて気持ちがいい。
最後の場面の盛り上がり方に心打たれる。
五十鈴に正直に全てを打ち明ける章太郎も立派だし、
「兄さん、人のおもちゃには、なりませんでした」と貫く五十鈴も良かった。
シーンは増えてるけど原作に割と忠実だと思う。よくわかんないけど、脚本の久保田万太郎の戯曲版にもとづいてるんかなー
鏡花はエンタメ型で話を書く理想主義者だし、あ゛ーぜってーこいつマジめんどいやつ、って思いながら、やっぱり大好き。
ご都合主義エンタメの型の王道を、芸事が超えてくる話運びに本当に感動する。
邦画三味線界のラスボス鶴八こと五十鈴に三味線を封印させて舞わせるんかいとか、通りすがりの按摩さん脅かしたままで大丈夫? とか、いろいろ思うけどもう感動したからなんでもいいや。