へっぽこヘラクレス

リズと青い鳥のへっぽこヘラクレスのレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
5.0
愛ゆえの決断、変化しないための変化。
大切なものを これからも大切なまま未来へ繋げていくため 繊細に変化を選び取ってゆく。

本編が「うまくなりたい(変わりたい)」と声高に叫んでいるのだとしたら、
本作は「本番なんていらない(変わりたくない)」と静かに けれど確かに叫んでいる。

息遣いから目の動きや足音まで すべてが生きていて 彼女たちを形作っている。
友達とか仲間とか親友とか もっといえば人生だとか、僕にとってのそういうことすべてが詰まっていて、この作品がもう僕の人生にとっての宝物になってる。

2023/01/02(火) NHK-Eテレ
もう何度目か分からなくなるほどこの作品を観ているけれど、それでもやっぱり涙してしまった。ゆったりと水を湛えた心の水面に波紋が広がるように、静かに けれど確かに沁み渡る。
素敵な作品だったで終わらせず、自分も彼女たちのように生きたいと思わせてくれる。
好きなシーンはいくつもあって語り切れないけれど、何よりも この作品が湛えている空気感というか、キャラや美術背景だけでなく意義や概念のようなすべてを包括した この世界そのもののような存在が好き。