しん

リズと青い鳥のしんのレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
4.5
アニメ映画と侮るなかれ正しく傑作。
今作は細部に至る描写とカットがそれぞれの内面を映し出しており、非常に映画的な演出が素晴らしい。
序盤の登校のシークエンスだけでも歩き方、上履き、光、前と後ろなど2人の関係性を瞬時に理解させる。
個人的にはこの映画は情念の物語で、一見爽やかな体を装いながら、その実とてもリアルに女性の恐ろしい部分を描いているように感じる。
本当に執着しているのはどっちなのか??
二人の違和感ある距離感。その答えを察知した時にこの作品は一転して景色を変える。
それはサスペンスやミステリーのそれと同義だ。
持つものと持たざるもの、その関係性の変化、残る苦さ、未来への一歩、その全てを集約し振り向くだけで描いたラストシーンの素晴らしさは一見の価値あり。
しん

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