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鍵のeeosusumeのレビュー・感想・評価

(1959年製作の映画)
4.0
市川崑 生誕100年映画祭
「鍵」(59)
を観ました。

古美術鑑定家の剣持(中村鴈治郎)は大学病院に
定期的に通いビタミン注射をしていた、彼は
老いていく自らの肉体に嫌悪感を抱き同病院のインターン・
木村(仲代達矢)を懇意にし娘婿に迎えようと考えている
しかし木村は剣持の妻・郁子(京マチ子)とつきあっていた
そのことは娘の敏子(叶順子)も剣持も知っていた、木村は開業医
の準備金を用立ててもらうため資産家である剣持一家に近づいた
したたかな男だった、しかしこの計画には誤算があった
剣持は200を越す血圧の高さが災いし寝たきりになってしまう
一家と木村を心よく思っていなかった・婆やのはな(北林谷栄)は
主人である剣持を不憫におもい郁子、敏子、木村を毒殺することを思いつく
しかし結果は思いがけない方向に進むのだった・・

谷崎潤一郎:原作を市川崑監督・和田夏十(監督夫人)が大きく脚色
撮影の宮川一夫の瓦屋根を俯瞰するショットに代表される
どこから観ても市川崑の映画になっていました

中村鴈治郎と京マチ子、宮川一夫のコンビは
同じ年に「浮草」(59)監督:小津安二郎でも見事な旅芸人の日常を
描いていて「鍵」と双璧をなす職人芸をみせてくれます

宮川一夫のキャメラを観るだけでも価値があり!
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