鍵の作品情報・感想・評価

「鍵」に投稿された感想・評価

manuca

manucaの感想・評価

3.0
詳細にこだわりの感じる日本家屋。印象的なライティング。抑えめの色彩。登場人物たちの感情を押し殺した台詞回し。美しいトーンに彩られた作品でした。
モnahぁ

モnahぁの感想・評価

3.3
嫉妬というのは恋愛において強烈なスパイスになり得るもの。娘の婚約者と自らの妻を結びつけ、それを黙視して楽しむ。この屈折感と絶妙ないやらしさが表現されていた。俳優さんが皆さんなんとも含みがあって素晴らしい。京マチ子さん初めて観ましたがとてもクセになる。昭和の女性らしい所作と色気は見習いたいな。
仲代達也がカメラに向かってナレーションしながら始めるオープニングは今でこそ良くあるけど、当時としてはかなり画期的なのでは?
これ本気でリメイクしたら結構面白く仕上がるかも。もう少しエロ度と変態性多めで。
romio

romioの感想・評価

4.6
これは面白い!!
ジャパニーズ変態官能ブラックコメディーここにあり!!
昔の邦画ってなんでこんなに面白いのだろうか!

老化に抗おうと試行錯誤する老人と、その家族、医師の変態性が爆裂するお話。
なんとも言えない京都の、見せる部分と見せない部分。
こう言ってるけど、本当のところは真逆のことを指していたり。
そんなあべこべな状態が、人間関係やそれぞれの立ち位置まで裏の部分があり、本当に見ていて面白い!!
そしてなんといっても、京マチ子!
あまりにもエロい!!
眉毛がヤバっ笑となるけども、その色香に胸を射抜かれてしまう。
嫌よ嫌よも好きのうちがマジでエロい。

いちいち入ってくる映像も大爆笑だし。
伏線の回収の仕方、その見せ方も最高!!
是非ともこの変態一家ご覧なれ!
めちゃおすすめ!
オチはやはりフフッとなってしまったのですが、京都の昔ながらの人間づきあいの面倒くささや怖さを端的にわかりやすく描いているように見えます。

京都は好きだけど、こんな時代の京都は嫌だ笑
655321

655321の感想・評価

3.5
カンヌ国際映画祭の審査員賞受賞の作品。
カンヌの審査員が「万引き家族」や今作のド変態家族を見て、日本の家族関係を誤解していないか心配です。

男女がベッドの上に倒れこむと画面は切り替わり汽車の連結部分を執拗に映す。
ガチャン、ガチャン、もう一度ガチャン。
そして汽笛が鳴り響く。
ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」もビックリの露骨な隠喩に笑ってしまう。
作品内にはこういった妖しげな笑いが満ちており、なんともシニカルなフェティシズムに引き込まれる。
市川崑監督作品は「ビルマの竪琴」以来の2本め。原作がそうなのかは読んでないのでわからぬが、いやはや何とも隠微な世界。棒読み調の台詞回しも何故かしっくりきてしまうから不思議。どのキャラにも感情移入できず、摩訶不思議、摩訶不思議。興味は湧く作品。‬

このレビューはネタバレを含みます

中村鴈治郎、恐い。あのネットリした視線。歪な哲学。自分の妻を不倫させ、その嫉妬によって自らの活力を復活させる。しかも、不倫相手は娘の婚約者。なんだか、ギリシャ神話みたいだ。

しかし、そんなことが可能だろうか。自らが仕組んだ不倫で、嫉妬なんてできるのだろうか。私もそこまで人生経験がないので、わからない。わからないが、中村鴈治郎の凄みのある顔面は、「あー、この人なら何でもありだな」、と言わしめる力がある。


仲代達矢、若い。伊勢谷友介みたいだ。いや違うか。出世のためなら何でもやる。しかも、そんなに力んですらいない。淡々と、軽々と、こなしていくエリート。婚約者がいながら、その母親とも関係をもつ。特に良心の呵責もなく。不気味だ。


京マチ子、恐い。恐かった。妖艶、官能的などの形容がふさわしいのだろうが、私には恐かった。すべて見透かしているかのような視線。風呂場で倒れ、あられもない姿をさらけ出す京マチ子。なんか恐い。


全員恐いのだが、最後には、手伝いのばあさんに、みんな毒殺されてしまう、というトンデモない落ち。しかも、ばあさん、自首したのに取り合ってもらえない。京マチ子が書いた日記が、遺書だと受け取られてしまったのだ。

こうして、この家族が抱えていた暗黒は、永遠に葬られたのでありました。
めでたしめでたし。

なかなか見応えのある作品でした。

製作:1959年
監督:市川崑
原作:谷崎潤一郎
出演:中村鴈治郎、京マチ子、仲代達矢
受賞:カンヌ国際映画祭審査員賞
dannie

dannieの感想・評価

4.0
京マチ子さんの眉毛がやっぱ気になってしまうところなんだけど目がめちゃくちゃエロかった
一般的に窃視の日記文学として構造的な仕掛けが評価されている原作が、映像化によって違う面白さに書き換えられている
谷崎潤一郎のイメージといえばまず「強いもの」である男性と「弱いもの」である女性がいて、彼らの関係が何らかの性的なつながりの中でいつの間にか立場が転倒するみたいなやつ
で、映画の中にもそれがあったけどまさかその先に展開が作られてて呆然としてしまいそのあと少し笑ってしまった
R

Rの感想・評価

4.5
マチ子最高! 本作は3回見て3回とも最高!!!って思ったけど、見るときの年齢によって、惹かれるとこが変わっていってる。まず、原作者の谷崎潤一郎はボクが世界一好きな作家で、並ならぬ作品群の中でも、鍵は最高傑作のひとつだと考えております。それを市川崑監督が映画化。原作とは内容も雰囲気もかなり異なってるけど、非常に面白い映画に仕上がっている。最高の官能ブラックコメディなところはしっかり映画に反映されつつ、追加でホラー映画みたいな要素を盛り込んでて、それが笑いの毒っ気を強めている。冒頭、いきなり顔面蒼白なキモい青年がどアップで出てきて、人間の老衰は10歳の時に始まり、10年おきにアレが弱くなり、コレに欠陥が起こり、ソレが衰え、みたいなのを病的な表情で語っていくのにまず爆笑。何じゃこりゃ。そこから始まるのは、家計の傾きつつある京都の古美術品鑑定師・剣持の一家と、インターンの医者志望(冒頭の青年)の木村君のややこしき性事情。セックス大好きな剣持は、年をとって性欲が衰えてきた不安から、自分の娘と結婚させようと考えてる木村君をそそのかして、妻に手を出させ、それを見て感じる嫉妬心で性欲を掻き立てようとする。という訳の分からん話で、このおっさんの妻を演じるのが、恐ろしく妖艷な京マチ子。あり得ない形状の眉毛なのに、真横にぱっくり割れた伏し目がちな眼と、それを引き立てるアイメイクのバランスが絶妙で、顔の円さ、ふくよかな体、餅のような肌、官能的な声、息づかい、裏にドス黒さを秘めた美しすぎる京都弁、などなどが合わさって、この世のものとは思えない艶めかしさを体現。全編マチ子ちゃんに釘づけ!!! 何たる魅力!!! それとは対照的に、彼らの娘のブスなこと無愛想なこと。このふてくされブスが何度も笑かしてくれます。そして、妖怪のようなお手伝いのばばあ…。剣持が、木村君を宅飲みに招待するたび、妻にも酒を飲まして、酔うとお風呂に入って脳震盪を起こし、裸で倒れてしまうエロ妻の面倒を何度も見る木村君。おやおやおやな展開になっていくんやけど、実は、木村君も、妻も、それぞれ腹に一物おありなのです、ふっふっふ。映画の冒頭で、主要人物の誰一人として本当のことを言っていないのを、素晴らしい手際で見せるので、もはやそのあと誰の言葉も、ちっとも信用できなくなってしまってるのが、あとあとどんどん効いてきて、表面で起こってることの裏で、本当は何が起こってるかをむんむん妄想させる演出が実に面白い。そして、独特のテンポの良さ、薄暗く殺伐としたスタイリッシュな映像、奇妙な音楽などなど、全ての要素が人間という存在の胡散臭さ、裏腹さ、妖しさを暴く本作のムードを盛り上げていて、ほんと素晴らしい。現代においても、表面の繕い方は変わったものの、まぁみんな心の奥ではいろんな思いを渦巻かせながら悶々と暮らしてるんやろーなーと思った。最高。マチ子最高。こんな女、絶対他におらん。エロティシズム!!! これほど強烈な毒っ気に満ちた面白い映画が存在してること、喜びでしかない。いまではこの雰囲気は絶対作られへんやろうなー。残念。
て

ての感想・評価

3.4
原作も監督もカメラマンも役者もわたしの好きな人ばかり集まっているから見る前にハードル上げすぎたのはやむを得ない
>|