みおこし

ファイティング・ファミリーのみおこしのレビュー・感想・評価

3.7
イギリス北にある街ノーウィッチでレスリング・ジムを経営しているナイト家は、レスリングを通じて熱い絆で結ばれている。18歳のサラヤと兄のザックもレスリングに励んでおり、いつか世界的な米・プロレス団体のWWEの試合に出ることを夢見ている。そんなある日、WWEのスカウトマンから2人ともトライアウトに参加するのだが…。

ドウェイン・ジョンソンやジョン・シナなど、俳優としても現在活躍するスターを数多く生み出したWWE。そこでディーヴァ(女性レスラー)として活躍したペイジの物語を映画化した1本。ついに公開になった『ブラック・ウィドウ』でナターシャの”妹”役に扮しているフローレンス・ピューがペイジことサラヤ役を熱演。迫力の試合シーンも肉体改造して挑んでいて、『若草物語』のエイミー役とは全く違う印象でびっくり。
自分の実力に自信があるゆえに、WWEの合宿では空回りしてしまい、そこに集まった他の候補生たちを当初は見下していたペイジ。イギリスの田舎町からやってきた彼女が直面したのは、自分よりもさらにパワフルで実力の高いライバルたちとの差。「井の中の蛙大海を知らず」とはまさにこのことですが、それでもなお家族の支えを糧に乗り越えていく彼女の物語にはとっても勇気をもらえました。
ひとりの少女の成長物語に留まらず、彼女とは対照的な道を進んでいくことになる兄ザックの物語も胸熱。自分の道を進もうと思っても、希望通りに行かないこと、そしてどこかでリセットする必要があることもある。人生って、簡単じゃないんだなとしみじみ。それでも”再生”していく力って大切。
実話だからこそ、胸が熱くなる爽快なサクセスストーリーでした。
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