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MAROKO 麿子のandesのレビュー・感想・評価

MAROKO 麿子(1990年製作の映画)
3.7
OVA「御先祖様万々歳!」を観賞。押井のフィルモグラフィーの中では比較的、地味な扱いだが、時期的にも全盛期といってもいいし、演出も楽しそうで乗っている。
「虚構性」は押井がいろんなところで演るテーマで、今回は家族が題材。相変わらず小難しい台詞の応酬ながら、コメディなので、良い意味で軽く観られる。家族がかなり危ういバランスのもと、それぞれが役割を演じて成立しているというのは、皮肉な目線だが、その通り。家族という極めて不安定な形態に、異物(麿子)を放り込んで、物語がナンセンスに進む様は、舞台的な演出と相まって、90年代アニメを先取りしていると思う(とはいえ妙にドライなのは独特)。
例によって、最後も「答え」がでるようなものではないが、シチュエーションの面白さで持つ。個人的には「イノセンス」とか真面目なやつよりも好み。
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