いとー

ハングマンズ・ノットのいとーのネタバレレビュー・内容・結末

ハングマンズ・ノット(2017年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

結論、序盤面白くなりそうだと思って期待してたので残念だった…。

影山兄弟率いるヤンキー側視点、主人公でサイコパスの柴田側視点の2軸で物語が進んでいく。
ヤンキー側は、ワンカットで撮り続けていることもあってこいつらの日常の地続きの中に暴力が当たり前のように存在しているんだ、という説得力があって引き込まれた。影山兄弟の演技とキャラすごい好き。
ただ、暴力シーンは生々しくならないように殴打の瞬間が見えないように配慮されていたり、レイプシーン?は服を着たままくっついて揺れているだけで、これは挿入を表現しているのか?それとも本当に揺れてるだけなのか?と困惑する場面もあった。後述する柴田側の暴力シーンは割とがっつり映しているので、柴田をヤンキー側より残虐に見せたかったのかもしれないが、やっていることのエグさはこちらの方が上だと感じたのでもっとバイオレンス感全開でよかったんじゃないかと思った。

一方、柴田側の視点になると途端に嘘くささが増す。作り手の「サイコパスってこんな感じだろうな」というイメージが先行して人物像を作っている感じがして、言動や存在感にリアリティがなかった。
柴田は大学生になっていきなり暴力性を発揮しだしたの?
だとしたら今まではなんで抑えられていたの?
なんで強いの?
野口君はなぜ平手打ちをペチペチされただけで死んじゃったの?
など、後半になっていくにつれてめちゃくちゃ気になることが出てきて冷めてきてしまった…。
最後の虐殺シーンを撮りたかっただけなのかな、と思った。
映画自体に特にメッセージや意味があるようにも見えず、なんだったんだろ、という感想。
強いて言うなら自分以外の事柄への無関心や理不尽な暴力に対する警鐘?
もしも意味があったとしても 柴田のリアリティの無さが強すぎて希薄になってるんだと思う。

最後の紙芝居の中に影山兄弟や柴田を彷彿とさせるキャラが描かれてたりしたけど、このメタさ、いる?とも思った。

でもホント、最初のヤンキー側視点はワクワクした。影山兄弟がずっと主軸で進んでいくバイオレンスものだったらもっと面白かったんじゃないかと思う。

血糊感が全開で最後の方スライムみたいに見えたり、シーンが切り替わった一瞬で急にべったり血糊が増量されたりしていてそこも気になってしまった…。
音響が悪すぎてセリフが聞こえず、かといってこういう映画だといつ爆音が来るかわからないので音量を上げまくるわけにもいかず…。
というストレスもあった。
まぁでも血糊と音響は予算とかの兼ね合いでしょうがないのかなと割り切れる部分だった。
(Netflixでの視聴だったので字幕つけて観ました。)
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