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アマノジャク・思春期のkazitのレビュー・感想・評価

アマノジャク・思春期(2016年製作の映画)
5.0
60代爺の感想 通りすがりに軽く覗く程度の感じで鑑賞しましたがファーストシーンから引っ張られました。 自傷や凄絶な虐めの数々のシーンとサイレント的な映像手法で主人公の八方塞がりによる苦悩がよく伝わってきました。 子供て原初的な残酷さを持っています。そしてそれをストレートに表現しますね。違うもの同士協調にズレがあると排除する。これは加害者被害者にも双方あります。しかし加害者の方が有利な事で弱肉強食的な構図が出来上がる訳です。しかし世の中は弱肉強食ばかりで出来上がっている訳ではありません。強肉弱食の構造もありますね。つまり両方で成り立っています。大人になる程その世界に皆移行していきます。そこで時に皮肉な逆転が起こる訳です。ラストでは主人公が未来にその強肉弱食の世界 に移行していく兆しを感じました。しかし女の子は擬人化した自分でしょうか?? または他の何か???いずれもそれに導かれた後に帰宅したシーンで禅の説話である 啐啄のような準備段階に入ったなあという印象も受けました。 さてこの映画は過去現在という直線的な時間の流れからパラレルワールド的な世界にそれぞれを導き各自に気づきを与えてくれる映画じゃないかなあと想います。 幅広い年齢層に観て貰いたいですね。
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