まどもさおり

アクト・オブ・キリング オリジナル全長版のまどもさおりのレビュー・感想・評価

4.0
加害者側からダイレクトにかつ淡々と語られる映像を観て、これを実際に行なっていたのかと言葉を失います。当時、その行為がいくら正義だという状況だったとしても、やはりあってはならないことです。
加害者達が当時を懐かしむように楽しく映画の撮影している風景は、とても嫌悪感を抱きます。撮影なのに、協力する村人が本当に恐怖で泣き出したり放心状態になるシーンは、実際にあったその状況がいかに悲惨だったかを容易に想像できます。
アンワルは、撮影が進むにつれてだんだんと心境に変化が出て来たように見えました。初めは当時行なっていた行為を誇らしく語っていたのに、自分が被害者側を演じる事で被害者の気持ちを体験し、当時を思い出し気分を害すようになり、最後には過去の行為に自問自答しています。彼の心境の変化が、この映画の唯一の救いのように思えました。

当時インドネシア大統領夫人として生きたデヴィ夫人は、やはり只者ではない
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