おはうち

レプリカズのおはうちのレビュー・感想・評価

レプリカズ(2018年製作の映画)
5.0
凄い!!!!!ここまで清々しくタブー犯しているのに平然としているの控えめに言って狂ってる!!!!!

そもそもこの映画、車の交通事故で亡くなった家族をクローンにして復活させたのを、後半のカーチェイスで再び家族が車内で死にそうな目になるという、因果応報な反復描写にしてるのに、そこら辺は置いておいて忘れて、オチを決めやがったのが凄い。

一度死んでからクローンになると、さっきと同じ役者なのに観る目線が変わってくるのは面白かった。奥さん役のアリス・イブの挙動が気になってくる。しかし、ジョギングしたら横っ腹が痛くなる描写が結局ワケワカメ。でも、お尻が良かったので文句なし。

冒頭のロボットのカクカクした動きに衝撃を受ける、絶対に失敗するカクカク加減で、一昔前のストップアニメーション感(褒めてます)。

名前を書いた紙片を並べる所で、背徳感と有り得ない気持ちが混ぜこぜで変な涙が出てきた、究極的に感情の置き所に困る衝撃。頭を抱えながら泣きべそかいてるキアヌのショットにユーモア。

基本的に共犯者にさせられるトーマス・ミドルディッチに共感するしかないからこそ、彼の顛末と、キアヌの対応に妙な感動を感じた。

これコントなんですよ。キアヌと相方にトーマス・ミドルディッチが付いたブラックなコント。バレるのバレないのかサスペンスの面白さを凌駕する、笑えるコントの間合である。

明らかにキアヌの嘘つく挙動が下手なのでコメディとして見てたんだけど、奥さんのアリス・イブに嘘をつく時に「嘘をつく時の顔」と喝破されて、嘘をつくのが下手なキアヌを作劇に織り込んでいて笑った。

咳のフリをするとか、首を横に振って嘘をつく挙動とか、ユニコーンの人形を抱えながら「考えてる」とか言ったりとか、率先してパンケーキ焼くとか、真剣に演じないで脱力しているキアヌの珍妙さに萌える。

金魚鉢とクローンを培養するポッドを並列させている価値観の表し方とかサイコーか。

劇中に出てくるHDDいいなぁ、無駄にゴツくて重たそうな意匠。鈍器にもなって便利。
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