センゾー師匠

ローマンという名の男 信念の行方のセンゾー師匠のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

デンゼル・ワシントンの演技の上手さを堪能する映画

とりあえず、これに尽きる。
地味な作品なので日本では劇場公開していないが、ローマンのキャラが今までの彼の演じて役と全く違い、そういえばこの人いろんな役演じられる人だなぁと今更ながら知った。ラストのコリン・ファレルの後ろ姿とエンディングテーマがなんかよく説明できないけど、すごくいい。

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人権弁護士として、お金には目もくれず、自分の理想を追求してきたローマン。
サヴァン症候群なのか抜群の記憶力があり優秀な弁護士だが、所謂コミュ症なので、法廷で話したり検事に交渉するのは苦手なので、同じ志を持つパートナーのウィリアムを裏方で支えていた。そのウィリアムが植物状態になり、もともと赤字経営だった事務所を畳むことになる。

そこで諸々の処理でやってきたのが、ウィリアムの教え子で弁護士事務所を手広く経営するジョージ。ローマンの能力をすぐに見抜き、仕事をオファーするが、金儲け主義の弁護士事務所に嫌悪感を抱いていたローマンは一度はオファーを断った。しかし現実は厳しく結局ジョージの下で働くことに。

主に低所得者向けので弁護を引き受けていたローマン。クライアントの減刑のため、真犯人の居場所を教える司法取引を持ちかけたが、上手くいかず、さらにクライアントは殺されてしまう。勝手に司法取引をしてローマンに激怒したジョージは将来的に解雇することを告げる。

仕事を失いそうになったローマンは、真犯人の有力な情報に高額の懸賞金がかかっていろんなことを知り、違法と知りつつ匿名で情報を警察に伝えて、懸賞金を手に入れる。

そこからは、もっと自分の人生を楽しもうと割り切り始め、クビになりそうだったクライアントの殺害の件も、それまでの真摯な仕事ぶりで遺族にも責められず逆に評価も上がる。雇い主のジョージもかつて高邁な理想を追い求めていた頃の自分とローマンの生き方に共感を持ち始め、無料弁護のチームリーダーにローマンを抜擢し、以前ローマンに打診された集団訴訟のプロジェクトもパートナーとして手伝うことをオファー、気になっていた女性ともデートするなど、以前のローマンであれば大喜びの状況になる。

しかし、罪悪感と、自分がタレ込んだ真犯人に報復を宣告された恐怖で精神的に疲弊していく。

ローマンは自分に対する訴状を作り自首するとジョージに告げる。受け取った懸賞金も返却し使った分は必ず返すと手紙も添えた。

吹っ切れたローマンが歩いていると不審な男が彼の後を追いかける。ジョージも急いで後を追うが間に合わず彼は射殺される。

最後はローマンの長年のプロジェクトだった集団訴訟の案件をジョージが引き継ぎ、書類を裁判所に提出するところで終わる。膨大な資料のトップページにはローマンとジョージのクレジットが記載されていた。