たちばな

娼年のたちばなのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
3.3
見る人によって賛否両論ありそうな作品だなーと思った。
ただのAVじゃんと思う人と、深いと思う人と。

セックスはコミュニケーションだっていう考え方はすごく同意なんだけど、
作品としては好みじゃなかったかなぁ、、。
単純にベッドシーンが多すぎて、途中からもういいよってなる。
性の悩みとかコンプレックスって誰しもあると思うし、公にできないからこそ苦しいものだと思うんだけど、
断片的に切り取ってそのシーンだけで解決に持ってくような描き方は少し安易に感じるというか、
それぞれの女性の人生を背負う描写としては足りないし、なんか薄っぺらく感じてしまったから、
そこがわたしにはAVみたいに映ってしまった。
これは感受性云々の話ではないと思ってるんだけど、、。
たまにこれウケ狙ってるのかどっちなのっていうシーンがあったりして、ニヤニヤしながら見てしまった。

あと思ったのはとにかく松坂桃李くんのお尻が綺麗すぎるし、スタイルもいいし顔も綺麗すぎて映像美としてはさすがって感じ。
サングラスが似合ってたなー。
女の子がさくらちゃん以外はみんな同じようなタイプの顔だったのが気になったな、、鳥顔というか、爬虫類っぽいというか、、。

女の子の喘ぎ声が過剰っていうコメントが意外だったんだけど、
わたしは女の子ってみんなあぁいう風に声出すもんなんだなぁって安心したくらい。
我慢したりしなければあれが普通なんじゃないのって思ったんだけど、、

友達の女の子は至極まともな子だと思ったし、ああいう子を「大衆的な人間」みたいな、「思考レベルの低い人間」みたいな役どころに置いてるならわたしはかわいそうだと思った。
実際はどうだかわかんないけど。
だから最後あの子が無理するシーンは、見ててかなりしんどかったし、泣けた。

性行為の有無で関係性を決めつけたり善悪みたいなのを決める考え方は全然好きじゃないけど、
そういうことでお金を稼ぐことを汚いことだとか全く思わずやってる方がやっぱりクレイジーだと思う。
だって女性に対して奉仕してるんだもん。与えてる。
それの対価としてお金を貰ってるっていうことだから、
それで救われてる女性がいることは確かだけど
自分の子供がそんなことしてたら耐えられないよ、、。
セックスがお金に変わる時点で倫理的にグラグラするよ。

セックスはすごく大事な行為だけど、
だからこそ恋愛とそれが別々に切り離されていて
性の欲求だけが満たされていない状態っていうのがそもそも悲しいし、
そこの穴を埋めてあげるのが彼の仕事なんだろうけど、
それだって結局その女性にとってはそんな未来、第1志望で思い描いたものじゃないでしょって思うと悲しいし。
お金を払って満たされるのは何なんだって。
そもそも対等じゃないし、
性行為が情けや救いであること自体がわたしの見たい性愛ではなかった。
性愛を信じてるからこそ、見ててつらかった。

しずかさんの「人は探しているものしか見つけられない」っていうセリフが印象的だった。